佐白山 正福寺(観世音寺)|茨城県笠間市笠間1056-1|坂東三十三観音霊場二十三番
ご朱印は本来、巡礼のお寺に、お経を納めた印としてお寺から授与されるものです。最近では、拝観した印として、ご朱印を授与しております。
巡礼者ではなくとも、ご朱印を集める事を楽しみにしている方々にもその「お印(しるし)」は、たくさんの功徳をくださいます。皆様に、もっとご朱印を身近な物に感じていただければと思います。
また、正福寺では季節のご朱印もご用意しております。ぜひ、いろいろなご朱印を集めてみてください。
正福寺は坂東三十三観音霊場のひとつで、昔から多くのお参りの方が訪れる老舗の観音巡礼のお寺です。しかし、なかにはご遠方の方やご高齢の方も多く、さまざまな事情でお寺に直接足を運べない方もいらっしゃいます。そういった方々から、巡礼用品を寺から直接送って欲しい、ご朱印の書き置きを送って欲しいというお問い合わせを多数いただいており、およそ30年にわたり、巡礼用品やご朱印の書き置きなどをお送りすることをしておりました。
近年、そういったお問い合わせが特に増えて参りましたので、インターネットを利用して書き置きのご朱印、授与品の一部をお送りさせていただく事といたしました。インターネット販売ではございますが、もちろん、お加持されたご朱印となります。
お加持とは、観音様のお力を吹き込むことです。そして、書き手が一枚ずつ、気持ちを込めて書いております。どうぞ、大切にお持ちくださいませ。また、ご朱印という文化が皆様に、観音様の功徳を知っていただくきっかけとなれば幸いでございます。そして、ぜひ、機会がございましたら、正福寺に足をお運びくださいませ。お待ちしております。
その昔、徳道さんというお坊さんが居ました。ある日徳道さんは、閻魔さんのお話を聴く為に亡くなります。徳道さんを待っていた閻魔さんは、徳道さんに3つの宝印を授けて説明しました。
「徳道よ、地獄を見なさい。現世で悪い事ばかりしてあの世にやって来る人間が絶えない。仕置きする鬼も大変にくたびれておる。私は、あの者たちの生前行った善行を閻魔帳から懸命に探して、なるべく軽い仕置きに送り込みたいのだが、今のままでは生前の履歴を探しても、善行はほぼ無い。徳道よ。この宝印を持ちかえり、民衆救済の為に観音さまの巡礼地を拓くのだ。観音さまは、衆生に一人も苦しみや悲しみを持つ人間が居なくなるまで寄り添い、観音さまを信心する者から速やかに救うという誓願を立てた。巡礼して手を合わせて、段々悪くなる人間はいない。」
徳道さんは早速、後の西国となる寺を訪ね歩きますが、その使命に理解を示す寺はなく、最後には中山寺の石棺に宝印を納め、後世の人間にその機会を託して亡くなってしまいます。350年後、石棺を開ける僧侶が現れ、札所が成立していきました。
ご朱印は、領収印です。写経の巻末に、為という字を書いて、その下に観音様に聞いていただきたい内容が書いてある、いわば「直訴状」です。右為とも書き、右の写経という修行を、この願い事の為に書いて、巡礼の寺に納めたというお印です。巡礼者でない、ご朱印を集める事を楽しみにしている皆様にも、その「お印」はきっと功徳をくださいます。飾って拝むのもよろしいかと思います。