田中 ひろみさんに鬢頭廬尊(びんずるそん)さんのデザインをお願いしました。
かつて正福寺のご朱印の書き手でいらした書家の鈴木 早苗先生の文字を長く残したく、
この企画をいたしました。
文字は印刷、実際に押印されています。
※鬢頭廬尊者(びんずるそんじゃ)とは、
お釈迦様のお弟子さんの中で、
神通力一番と呼ばれた方です。
鬢頭廬尊者は、いつもお寺の外陣に置かれています。
お釈迦様の救いの順番をとても待てそうにない病人や、
苦難に有る人に、
鬢頭廬尊さんは同情し、なおかつ優先的に、
苦しむ衆生の声に応えてしまいました。
衆生の目の前で、
神通力を使ってその方々を多く助けている事が、
お釈迦様のお耳に入り、
鬢頭廬尊者さんは破門となってしまいます。
鬢頭廬尊者に救われた多くの衆生が、
破門を解くようにお釈迦様に嘆願しますが、
お釈迦様は元の地位には決して戻しませんでした。
僧侶としての戒(かい・・・守るべき節度)を超えてでも、
一人でも多くの衆生を、
一刻も早く救いたいと思い詰めてしまう僧侶。
自分の完全なる解脱という目的と、人間としての情の狭間でゆれる、
僧侶達の苦悩を表現した仏様です。
現在は、民衆信仰と混ざり合い、
病気を治してくださる「なで仏」と解釈されています。